春分と秋分は昼と夜の長さが同じではない?なぜお彼岸の中日?
「春分・夏至・秋分・冬至」の4つがありますね。
季節の変わり目として、毎年当たり前のようにやってくる日なので、この4つの日の関係性を深く考えたことがない方も多いのかもしれません。
特に、なぜ春分の日や秋分の日が「お彼岸の中日」になるのかなど、知っているようで知らないこともあるかと思います。
また、この両日は 「昼と夜の長さが同じ」といわれていますが、実際に本当のことでしょうか。
そこで今回は、春分と秋分の関係について、夏至や冬至を交えながらご紹介します。
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春分、秋分、夏至、冬至の関係は?
春分、秋分、夏至、冬至は、 二十四節気が由来となってできた言葉です。
二十四節気とは、太陽歴による季節のずれを修正するために中国で考えられたものです。
春分は二十四節気の4番目、夏至は10番目、秋分は16番目、冬至は22番目となっていて、1年を4等区分するようになっています。
また、「春分と秋分は昼と夜を半分に分ける日」「夏至は太陽が最も北に至る日、冬至は太陽が最も南に至る日」とされています。
そのため、春分と秋分には 「分」という字が、夏至と冬至には 「至」という字が使われています。
春分と秋分は昼と夜の長さが同じではない?
一般的に、春分と秋分は昼と夜を半分に分けるとされていますが、実際には昼と夜が同じ長さになるわけではありません。
それには 2つの理由があります。
1つは、日の出と日の入りの定義にあります。
どちらも「太陽の上辺が地平線と一致する瞬間」と定義されています。
この定義にしたがえば、日の出と日の入りでは、太陽の半径分だけ日の入りのほうが遅くなるということがわかります。
そのため、昼のほうが少しだけ長くなります。
2つ目は、地球には大気があるため、地平線近くにある天体は大気の中を通る 光の屈折により、少し浮き上がって見えるからです。
どのくらい浮き上がるのかはその日の大気の状態によって変わり、地平線に近いところほど浮き上がって見えます。
日の出と日の入りの計算をする時には、35分8秒角浮き上がるとして計算しています。
これらの理由により、両日ともに昼のほうが長くなります。
春分の日と秋分の日はなぜお彼岸の中日?
春分の日と秋分の日が お彼岸の中日になったのには、いくつかの理由があります。
1つ目は「西方浄土」といって、仏様のいる極楽浄土の世界は西にあるとされ、その方向に向かって念仏すれば必ず往生されると信じられていました。
お彼岸の時期は太陽が 真西に沈むため、その中日が春分の日や秋分の日と重なっているのです。
2つ目は、仏教で重んじられている「中道」に関係します。
お釈迦様は悟りを開くために厳しい修行をしましたが、いくらやっても悟りを開けなかったため、中道に目覚めたそうです。
苦楽や有無にとらわれず、偏りのない立場であることを「中道」といいます。
昼と夜の長さが同じになるといわれる春分の日と秋分の日は、中道のシンボルとされています。
3つ目は、 季節の象徴であるということです。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がありますが、日本では昔から季節を感じられる行事としてお彼岸を大切にしてきました。
農耕生活をしていた頃は太陽を崇拝していて、気候のいいお彼岸を象徴とし、春分と秋分を重ねたといわれています。
2016年の春分と秋分はいつ?日の出・日の入りの時刻は?
春分と秋分の前後に起こる超自然現象・トオルマの夕日とは?
春分と秋分の前後だけに見ることができる トオルマの夕日。
岩を貫き海面に輝く一筋の光は、なんともいえない神秘的な現象です。
日本では、高知県の足摺岬から車で10分程度のところにある「大戸とんぼ公園」の前で見ることができます。
お彼岸の時期を含め、年に18日しか見ることのできない現象で、しかも気候条件がうまく重ならないと見られないため、観測できる期間の夕暮れ時には多くの人で賑わいます。
一度はご自分の目で確かめに行くのも良いでしょう。
いかがでしたか?
いつもは何気なく過ごしている春分や秋分ですが、少し知識を得るだけで感慨深いものになりそうですね。
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