雪(ゆき)・霰(あられ)・雹(ひょう)・霙(みぞれ)の違い!
大雪が降ることも多いですね。
寒い冬の真っ只中、北日本や日本海側では、ただ、九州などでは気候的に霙(みぞれ)程度で済むことも珍しくありません。
霰(あられ)や 雹(ひょう)が突然降ることもありますが、これらの気象用語の定義の違いについてご存じでしょうか。
結晶の形状や質、個体の大きさなどが関係していそうですが、実際にはどこがどう異なるのか気になりますね。
そこで、今回は雪(ゆき)・霰(あられ)・雹(ひょう)・霙(みぞれ)の具体的な違いについてご紹介します!
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雪(ゆき)とは?
まずは 雪の成り立ちをご説明します。
発達中の雲の中では、空気が上昇するに伴い冷やされて、空気に含まれる水蒸気が大気中の微粒子を核にして水滴を作ります。
この水滴は、-41℃程度で完全に凍結して氷晶となることが知られています。
こうしてできた氷晶はある程度成長すると、重さが増して落下を始めます。
氷晶の大きさと形状により落下速度は違いますが、速度が違うもの同士が落下途中で衝突し、跳ね返し合ったり、壊れたり、くっついたりします。
この氷晶同士がくっついて大きくなったものを雪片といい、これが雲の底を抜けて地上に達して雪となります。
雪の結晶は、数え切れないほどの種類があり、綺麗な形をしたものから歪な形をしたものまで様々で、この違いにより 積もりやすさなどにも関係しています。
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霰(あられ)とは?
霰(あられ)とは、気象庁の定義によると、雲から降る 直径5mm未満の氷粒をいいます。
5mm以上のものは雹(ひょう)として区別されますが、違いは大きさだけです。
霰には、 「雪あられ」と 「氷あられ」があります。
「雪あられ」は雪の周りに水滴がついたもので白色不透明で、「氷あられ」は白色半透明や不透明の氷の粒です。
霰は積乱雲内で発生します。
そして、地面に落下するとパタパタと音を立て跳ねます。
気象庁の定義によると、降雪や積雪は、霰によるものも含まれるとされています。
そのため、実際には雪が降っていなくても、観測上は降雪や積雪が記録されている場合もあります。
なお、天気予報では「雪あられ」は雪、「氷あられ」は雨として扱います。
雹(ひょう)とは?
雹(ひょう)とは、積乱雲から降る 直径5mm以上の氷の粒で、前述した通り、基本的に霰とは大きさの違いだけです。
そして、雹が降ることを降雹(こうひょう)といいます。
雹は激しい上昇気流を持つ積乱雲内でできるため、 雷を伴うことが多いです。
雹は空中で落下して表面が溶けて、再び上昇気流で雲の上部に吹き上げられて溶けた表面が凍結することを繰り返します。
そして、だんだんと氷粒が成長していきます。
その成長の仕組みは氷あられと同じであり、氷あられが成長して雹になるのです。
当然、成長するにつれてその重さを増していきますので、その重さを気流が支えきれなくなったり、上昇気流が弱まったり、強い下降気流が発生したりした時に、地上に落下します。
雹は積乱雲の発生が多い夏季に多いですが、地表付近の気温が高いと完全に溶けて大粒の雨になってしまうので、盛夏にあたる8月前後よりも初夏の5月~6月に起こりやすいです。
また、日本海側では冬季にも季節風の吹き出しに伴って積乱雲が発生するので、雹が降ることがあります。
その大きさは数mmのものが多いですが、時に数cmにも成長し、 ゴルフボール大となることもあります。
記録が残っている中で世界最大の雹は、1917年(大正6年)6月29日に埼玉県大里郡熊谷町(現熊谷市)に降ったカボチャ大の雹で、直径29.6cm、重さ3.4kgといわれています。
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霙(みぞれ)とは?
霙(みぞれ)とは、気象庁の定義では 「雨まじりに降る雪。または、解けかかって降る雪」とされています。
上空から雪が降ってくる途中で、地上近くの気温が高いと雪が溶けて雨になります。
その中で、一部溶けずに雪のまま落ちてくると霙になります。
観測上は雪に分類されています。
この霙を予報することは難しいといわれており、予報でも「雨または雪」「雪または雨」と表現することが多いです。
以上、身近な気象現象でしたが、はっきりした定義の違いを知るとなんか「鼻高?」になった気分ですね。
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