雛人形の三人官女の意味と持ち物や並び順!眉やお歯黒の違いも!

桃の節句が控えていますね。
3月といえばひな祭りは女の子にとって楽しいイベントですが、それに欠かせないものが「雛人形」です。
その中でも、 三人官女の意味や役割、どういう身分の人たちなのかをご存じの方は少ないかもしれもせんね。
お酒に関する持ち物を持っているように見えますが、正式にはどんな役職の女性たちなのでしょうか。
そこで、今回は雛人形の三人官女の意味や持ち物、並び順を中心にご紹介します!
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雛人形の三人官女の意味(役割)は?
まず、雛人形全体を見てください。
段によって、様々な個性的な人達が飾られていますね。
その中の 「三人官女」のところを見てみましょう。
真ん中の女性が座り、左右の女性が立っていますね。
この、「三人官女」の「官女(女官)」とは、男子禁制とされる後宮や后妃の私生活の管理をする女性官僚のことを意味します。
古来、日本の宮廷においては、女性に何らかの官職を与えて、君主や后妃の日常の雑役に就かせていたとされ、それが官女となったのです。
ちなみに、高級女官(上臈)を 「にょかん」、雑任級の下級女官(下臈)を 「にょうかん」と呼びましたが、明治以降に呼び方を「じょかん」に統一しました。
「三人官女」は、お付の人達、世話係というイメージが定着していますが、実は、お姫様の生活の全てを管理する、非常に重要な仕事を任されています。
つまり、単なるお世話係という意味とは少し異なり、その現場の指揮官とでもいうべき役割を果たしているのです。
そのため、非常に仕事のできる女性が選ばれており、多くの女官のリーダーとして活動していたのです。
また、お姫様にいろいろな物事を教える 「家庭教師」的役割もあったため、かなり重要な仕事をしていたと考えられます。
三人官女となられる女性の多くは、お姫様により近い存在でもあるので、身分の高い「特別な立場」でもあるのです。
ところで、三人官女の存在が知られるようになったのは江戸時代以降で、意外と新しいですね。
それは、江戸時代の裕福な家庭が豪勢に段飾りを作りはじめたことから始まります。
そこに、様々な飾りが増えてきて作られるようになったようです。
雛人形の三人官女の持ち物と並び順は?
三人官女の形式は、 「両端が立って中央が座る形」「あるいはその反対」または 「三人とも立っているもの」など何通りもあります。
また、官女の数も三人と限らず、五人官女、七人官女も存在したようです。
持ち物に関する並び順は、向かって左から、「提子(ひさげ)」「島台(しまだい)」「長柄銚子(ながえのちょうし)」となります。
【提子(ひさげ)、または加銚子(くわえのちょうし)】
鍋に似た形の金属製の器です。
銚子の一種で、かつては宴席で酒を注ぎ勧めるのに使用されていたものです。
しかし、室町時代以降は、銚子が晴れの席に用いられるようになりました。
提子は銚子に酒を加えるためのものに変わりました。
長柄銚子にお酒を加える役割となるので、「加銚子(くわえのちょうし)」とも呼ばれます。
【島台(しまだい)】
祝儀の飾りの置物です。
名前の由来は、入江の形状をなした島の姿に吉祥文様を描いているところからです。
中央の女官の持ち物で、島台の場合と盃の場合があります。
【長柄銚子(ながえのちょうし)】
長い柄のある酒器で「銚子」ともいいます。
ところで「お銚子」といわれてイメージするものは、役割と注ぎ口でいえば確かに「長柄=銚子」ですが、器の形でいえば「徳利」(とっくり)なのだそうです。
長柄銚子もお酒を注ぐための酒器ですが、銚子(提子)に対して本酌となります。
従酌よりも本酌の方が上位となりますので、向かって右に並べます。
これは、左側を上位とする「左上位」に習っている為です。
持ち物までしっかり見ることも少ないかもしれませんが、持っている酒器で身分の違いが理解できるようですね。
雛人形を飾る時期はいつからいつまで?関東・関西・鹿児島では?
雛人形の三人官女・眉やお歯黒に違いが!
では次に、三人官女の お顔を覗いて見てください。
さすが選ばれし女官様達です。お顔も上品で賢そうですね。
三人のうち、中央に一人だけ眉無し・お歯黒の方がいます。
これは、眉を剃り、お歯黒をつける 既婚女性の習慣で、年長者であることがわかります。
そして、左右は若い官女です。
きっと、一緒に力を合わせて、お后様をしっかりサポートしているのでしょうね。
例外的に、平安天鳳の「公家正装官女」と「采女」のように、中央の女官を未婚者で作られているのもあります。
五人囃子などの楽器の並びなども見てみると楽しいものですよ。
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