帝王切開の意味と名前の由来!出産する時の心配事とは?
「経膣分娩」と呼ばれる方法と、 「帝王切開」と呼ばれる方法です。
経膣分娩というのは、その名の通り、赤ちゃんが産道を通って生まれてくる方法です。
一方、帝王切開というのは、お母さんの子宮を切開手術して赤ちゃんを取り出す方法です。
ところで、この帝王切開という名前は、一体何に由来するものなのでしょうか。
意外と知られていない事実が隠れていそうですね。
そこで、今回は帝王切開の意味や名前の由来についてご紹介します。
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帝王切開の意味は?
帝王切開というのは、お母さんの 腹部と 子宮を切開して赤ちゃんを取り出す出産方法を意味します。
主にこの方法で生まれてくるケースというと、赤ちゃんが「逆子」であることが多いですね。
逆子だと、足や腕が引っ掛かり、経膣分娩が難しいためです。
他にも、妊婦さんの血圧が高い時(妊娠高血圧症)や胎盤の位置の都合、その他、経膣分娩にリスクがあると認められると、帝王切開での出産になります。
また、 多胎(双子や三つ子)の時にも、選択されるケースがあります。
さらに、経腟分娩での出産を予定していても、陣痛の最中に胎児が回旋異常を起こしたり、胎児や妊婦さんの体の状態が急変した時などに、緊急で行われることもあります。
帝王切開の名前の由来は?
帝王切開という出産方法ですが、名前がちょっと変わっていますよね。
なぜ 「帝王」と呼ばれるようになったのかは、諸説あるようです。
もっとも有力視されているのは、誤訳されたという話です。
帝王切開は、ドイツ語で「Kaiserschnitt(カイザー・シュニット)」といいます。
これを和訳する時に 「kaiser=帝王」「schnitt=切開」と切り分けて訳せば、当然そのままの意味で伝わりますよね。
でも実は、この誤訳説には元となった説があり、かなり昔の話にさかのぼります。
ラテン語では帝王切開を「sectio caesarea(セクティオ・カエサレア)」というのですが、ドイツ語に訳した時にカエサレアというのを古代ローマの政治家・カエサルと誤認してしまったそうです。
カエサルとは、共和制ローマ期の 「ガイウス・ユリウス・カエサル」のことで、英語読みでは
「Julius Caesar(ジュリアス・シーザー)」と呼ばれた人物です。
彼の功績により、ただの人物名にとどまらず、「ローマ皇帝の称号」にもされ、現在でもドイツ語の皇帝号・君主号の「kaiser」の語源にもなっています。
Sectioというのは切開という意味なので、「帝王(皇帝)の切開」と誤訳し、そのまま使用しているという説です。
また、カエサルが子宮切開術によって生まれたから、このように呼ばれるようになったという、史実とは異なる説まで飛び出しているようです。
いずれにしても、帝王切開という名前の由来は、はっきりとは解明されていないようです。
帝王切開での出産の心配事は?
現在、帝王切開で出産をする人は、全体の 2割程度です。
もちろん開腹手術のひとつですので、当然リスクもあります。
例えば、術後の 合併症です。
再出血、傷口の感染、血栓症、術後癒着(腸閉塞)といったリスクが挙げられます。
また、手術には麻酔を使用するので、麻酔の副作用も懸念材料です。
低血圧、吐き気、嘔吐、手足の痛みなどがあるといわれています。
基本的には部分麻酔ですが、全身麻酔を使用しなければならない時は、胎児への副作用も心配されます。
他にも、1人目の出産が帝王切開であると、2人目、3人目も帝王切開を選択しなくてはならないこともあります。
これについては、医師の考え方によって変わるようです。
帝王切開はリスクばかりが注目され、何となく避けたがる風潮が見られますが、おそらくこういった心配事がつきまとうからでしょう。
とはいえ、異常事態が起きても母子が安全に出産を終えるという事が最大の目的になりますので、 最も重要なメリットも持ち合わせていることになりますね。
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